着物のお話をしていると、こんな声を聞くことがあります。
「着物は持っているんだけど、着ないのよ。」
理由を聞いてみると、
「着付けや髪のセットに時間もお金もかかるし。」
「クリーニングのことまで考えると、レンタルの方が気軽で。」
そんな現実を話してくださる方もいます。
せっかく大切にしてきた着物なのに、タンスの中で眠ったまま。
そのお話を聞くたびに、少しもったいないなと思っていました。
でも、お話を続けていると、不思議なことがあります。
最初は着物の話をしていたはずなのに、
気がつくと、お母さんのこと。
おばあちゃんとの思い出。
若い頃によく着ていた頃のこと。
「本当は一度くらい着たいと思っているんだけどね。」
そんな言葉が、ぽつりと出てくることがあります。
きっと、話しているうちに、ご自身でも気づいていなかった思いが、少しずつ見えてくるのかもしれません。
だから私は、着物をどうするかを急いで決めなくてもいいと思っています。
リメイクする。
そのまま残す。
誰かに譲る。
どれも間違いではありません。
ゆずるはを始めた頃は、「眠ったままの着物がもったいない」という思いが大きくありました。
でも、たくさんのお話を聞くうちに、それだけではないことを知りました。
着物には、一枚一枚に物語があります。
そして、その着物を大切に思う持ち主さんにも、それぞれの物語があります。
だから私たちは、着物と同じくらい、その持ち主さんの気持ちも大切にしたいと思っています。
リメイクするかどうかが決まっていなくても大丈夫です。
「どうしたらいいのかな。」
「まだ答えが出なくて。」
そんなお話でも、気軽に聞かせていただけたらうれしいです。
着物をどうするかを決める前に、まずは一緒に着物のお話ができる。
ゆずるはが、そんな場所になれたらいいなと思っています。
作品の一覧は、オンラインショップ(BASE)でご覧いただけます。
制作の日々は Instagram でも綴っています。
時を結ぶ ゆずるは郡上

