シルクのパジャマなんて、私には縁のないものだと思っていました。
あるとき、ご縁があってシルクのパジャマをいただきました。
長袖、長ズボンのシンプルな前開きのパジャマです。
実は私は、いわゆるパジャマが少し苦手でした。
きちんとした前開きのパジャマより、気楽なスウェットで寝ることが多かったんです。
だから最初は、「せっかくだから着てみよう」くらいの気持ちでした。
でも、一晩着てみて驚きました。
体が動くたびに、生地がしっとりと肌に添う。
冷たいわけでも、暑いわけでもなく、ただ心地いい。
「こんなに気持ちいいものがあるんだ。」
その心地よさに感動しました。
それからは、気づけば毎日のようにそのパジャマを着るようになりました。
あまりにも気に入っていたので、あっという間に着古してしまって。
「もう明日から着られないんだ。」
そう思うと、少し気持ちが沈みました。
もう一枚欲しい。
そう思ったとき、ふと頭に浮かんだのがリメイク用の着物でした。
「そうだ。着物で作ってみよう。」
早速、自分用の試作品を作ることにしました。
とはいえ、着物なら何でもいいわけではありません。
シルクでも織り方や生地によって、肌触りはまったく違います。
パジャマは一晩中、肌に触れているもの。
だから私は、着心地を一番大切にしたいと思いました。
自分用には、状態の良い着物ではなく、肌触りの良い襦袢や、汚れがあって着物としては着られなくなった小紋を使うことが多いです。
着物地は洋服地より幅が狭いので、特にパンツは一枚の型紙では裁てません。
どう裁断すれば動きやすく、見た目もきれいに仕上がるのか。
洗うと縮む生地もあるので、裁断する前には一度洗い、生地の様子も確かめます。
作業しやすさ、着心地、見た目。
そのバランスを考えながら、「どうしたら納得のいく一着になるだろう」と試行錯誤を重ねました。
気づけば、私のパジャマは四着になっています。
今でも毎日着ています。
夏でも冷房の効いた部屋では長袖、長ズボンがちょうどよく、汗をかいても気になりません。
私は洗濯ネットに入れて洗濯機で洗い、また次の日も着ています。
※これは私自身の使い方です。生地や縫製、洗濯方法によって状態は変わります。
シルクのパジャマは、少し贅沢かもしれません。
でも私にとっては、「特別な日にしまっておくもの」ではなく、毎日の暮らしの中で身につけるものです。
しっとりと肌に添うシルクに包まれて眠る時間。
まるで、自分がいたわられているような気持ちになります。
眠る時間が少し豊かになる。
私にとって、このパジャマはそんな一着になっています。
作品の一覧は、オンラインショップ(BASE)でご覧いただけます。
制作の日々は Instagram でも綴っています。
時を結ぶ ゆずるは郡上
